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なぜ「残念な上司が存在するのか?」 日本の経営システム 終身雇用と年功序列の功罪

今回のテーマは、できの悪い管理職についてです。

そもそも、仕事ができるから管理職についているはずです。

しかし、実際にはそうでもない人がいらっしゃいます。

 

ーー目次ーー

 

 

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管理職の定義があいまい

通常の会社では部門ごとに仕事の内容が違います。

営業は営業、技術は技術、生産は生産、経理経理・・・

という感じです。

 

横並びで技量を比べることは難しいです。

 

そこで、部門ごとに

誰が仕事ができるのか?

という評価を基準に候補が絞られていきます。

 

 

会社によっては、共通の知識試験が課せられる場合もあります。

これは管理職としての例えば労働法規とか一般常識

あるいは社是や経営課題への理解などが問われたりします。

 

しかし

部署ごとに仕事ができる人というのは

部門のトップから見ればよくわかるわけです。

 

そして

仕事のできる人が推薦されるものです。

 

仕事ができないのに

知識試験だけできる人が出世してもは

現場も困るでしょう。

 

 

”仕事ができて知識試験が苦手な人”

は、仕事ができるのに昇進できません。

仕事のできる人のやる気が失せる場合もあるでしょう。

 

 

ですから

部門長が推薦するのは

”部門の仕事ができる人”

なのです。

 

これはこれで、間違っていません。

 

 

しかし

管理職の定義があいまいな会社が多いのです。

 

管理職になっても

肩書きが変わるだけで同じ仕事を続けるケースもあります。

 

会社によっては

部下をマネジメントして自らは働かないケースもあります。

 

 

教育を管理職が直接する企業もあれば

部下の育成を管理職がしない企業もあります。

 

いろいろです。

 

 

 

 

どの会社でも

頑張った人、仕事のできる人の

待遇を良くしよう

と考えます。

 

日本の企業では出世することは

給与があがるということです。

 

その一つとして

「管理職になっていく」

という企業が多いのです。

(一部の企業では専門職というポジションがあることもあります)

 

  • 何をどのように管理するのか?
  • 部下の指導や育成ができるのか?

このあたりが評価されているわけではありません。

 

 

仕事はできる

しかし

部下との関係性がイマイチ

 

こんな管理職がどんどん

発生してしまうわけです。

 

 

”仕事ができること”

”管理職の適性があること”

 

この二つは、別のスキルなので

基本的には相関性はありません。

 

しかし

現場の要請は

「仕事のできる人を出世させたい」

なので、アンマッチな昇格が多くなってしまいます。

 

 

日本には

”年長者が上になる”

ことを当然と思う気質があります。

 

体育会系などの風土で馴染みがありますし

年長者を敬うという習慣もあります。

 

実際、年長者が上司の方がやりやすい、収まりが良い

と感じる人も多いと思います。

 

 

  • 管理職って、そもそも、何?
  • 管理職って、どんなスキルがあれば良いのだろう?

 

こういうことを突き詰めて考えて

「社内の共通認識にしている」

という企業はあまりありません。

 

 

そんなわけで

真剣に考えていないから

残念な管理職も発生しています。

 

そして

「そういうことってよくある話だよ」

「しょうがないよ」

で、済ませてきてしまってきた経緯があります。

 

経営層と現場をつなぐ

一番の要になる管理職の力がないと

企業は成長しませんし

次世代の成長はありません。

 

 

ゆゆしき問題だと言えます。

 

 

このあたり

日本では人事の仕事が

営業よりも下の位置付けになっている

ということも

原因の1つだと思います。

 

 

 

 

 

 

残念な上司でも降格はできない、まして解雇はできない

 

企業を取り巻く環境は変化します。

 

環境の変化が緩やかな業種もあれば

激しい業種もあります。

 

そのような中で

昔ながらのノウハウが通用しなくなっているにも関わらず

「近年のノウハウのない上司が君臨している」

という状況になってしまうことがあります。

 

経理課でソロバンが正確だという理由で課長なった人がいたとしても

そのノウハウを部下に教える必要はありませんよね?

ましてキーボードが使えないでは、部署としてはお荷物かもしれません。

 

ソロバンの例は極端な例えですが

”部門の仕事ができるから”

という理由で管理職に昇進した人で

その部門の仕事が縮小したり、廃止されたらどうなるでしょうか?

 ちょっと困った状態になります。

 

 

たとえば

 

ケーススタディ

A事業の売上が縮小し、B事業が拡大している。

過去の売上規模に合わせて

A事業の部長クラスが8人

B事業の部長クラスが3人

の枠で昇格してきた経緯がある。

 

すでにB事業の売上がA事業に追いつき

本年中に追い越すのが予想される。

 

このような場合

B事業としては

A事業並みに部長クラスのポストを増やしたいと思うでしょう。

 

しかし

  • 給与原資が増えていない
  • 既得権となっているポストから降格はできない

となると、対応が難しくなります。

 

  1. A事業の部長職が定年するのを待ってからB事業の部長職を増やす。
  2. A事業の部長をB事業の担当をさせる

こんな感じでしょうか?

 

当然、B事業には不満がでるでしょうし

A事業の次世代にも不満が出ると思います。

 

A事業もB事業も

ほぼ同じような業務内容、同じようなスキル

であれば、横滑りしても

それなりに活躍できるかもしれませんが

B事業の生え抜きからは不満が出そうです。

 

まして

各事業の関連性が薄く

異動しても、ほとんど活躍できない・・

では、もっと不満が出そうです。

 

 

 

一旦昇格した上司を

流れが変わったから

「もう一度、平社員にもどってくれ」 

というのは、なかなか企業側としても

言いにくいものです。

 

 

賃金低下を伴う処遇はなかなか難しい面があります。

 

 

 

会社の利益が潤沢であれば

給与相当の働きができない管理職がたくさんいたとしても

次世代にもポストを与え、待遇も昇給することはできます。

 

 

しかし

会社の利益に余裕がなければ

給与の原資はかぎられているため

次世代に振り分ける分は少なくなります。

 

 

これでは次世代のやる気がなくなります。

 

社歴の長い企業には

成長期の後、停滞期が必ずあります。

 

この停滞期を乗り切れなければ

衰退期に入ることになります。

 

 

日本の年功序列には

メリットもたくさんありますが

”時代に合わせた人的フォーメーションを取る”

ということに対しては足枷になってしまいます。

 

 サッカーだって

”ベストの布陣”とか、”最善のフォーメーション”

を追求しなければ勝てません。

 

サッカーで

”35歳の役職定年までは降格なし”

では、ベストの布陣は組めませんよね?

 

実力のあるベテランは問題ありませんが

実力の落ちたベテランにも既得権を与えていては

企業としてもベストフォーメーションにはなりません。

 

 

変化の激しい環境に対応するためには

柔軟なフォーメーションが必要だと思いますが

実際には難しく、そのため企業が衰退することも考えられます。

 

 

 

残念な上司の存在は上記の2つのが主因

 

前節に書いたように

  1. 管理職の適性について深く考えずに登用する
  2. 状況が変わっても、あるいは能力がないとわかっても、一度登用したら降格できない

この二つが、残念な上司が減らない環境要因です。

 

 

自ら、給与の下がる降格を受け入れる人はあまりいません。

 

給与があがったら

下がるのは、誰だって嫌です。

 

若くて優秀な人に職位をゆずり

自ら減給を受け入れるなんてことは

ほぼないでしょう。

 

家族のためにも、稼ぎたいものですから。

 

 

このように

既得権を手放すことはありません。

なかなか難しい問題ですね。

 

 

解決策はあるのか?

例によって、すぐに解決することはできませんが

道筋はあります。

 

 

解決に向けての課題は3つです。

  1. 管理職の定義を社内で共有する
  2. 環境変化に対応できる人事システム
  3. 年功者へのそれなりの処遇

 

 

 

このあたりもう少し書きたいところですが

今日はこの辺で ☆